達人のコラム
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(1) カリー中毒のお嬢さん
(2) そしてリピーター
(3) インドの定食
(4) ベジ?ノンベジ?
(5) 機内食もカレーです
“VEG OR NON-VEG?”...これは、インドを知る上での重要なキーワードだ。
ベジタリアンですか? それとも君は肉を食うのか? ということだが、どの街の、どのレストランに行っても、必ずメニューが分かれているし、レストラン自体が肉料理を一切出さないところもある。また、中級以下のレストランでは、VEGとNON−VEGがレストラン内で同席しないよう、外の看板に、“VEG” 或いは “NON−VEG” の文字が大きく書かれていて、入口から客を選別している店も多い。

インドは、宗教やカーストの階級(カーストや社会的地位が高い人ほどベジタリアンが多いらしく、企業の社長クラスはほぼVEGだと思って間違いない。)によって、食生活や職業が大きく異なっている。

人口の8割を占めるヒンズー教徒が牛を食べないことは良く知られているが、この他にも、豚を一切口にしないイスラム教徒や、肉類や卵はもちろん、収穫する際に、土に付いている虫を殺すかも知れないからというやさしい心配りから、大根や人参などの根菜さえも口にしない筋金入りのジャイナ教徒など、様々な戒律があり、無宗教が多い日本人からすると、なかなか理解するのは難しい世界だが、逆に、インド人から “何が好き?”と食事に誘われて、“何でも食べます!”と答える日本人は、インド人には理解できないらしい・・・・。

カーストという身分制度は、大きく4つに分かれているが、実際は更に細分化されていて、数百とも数千ともいわれている。カーストはその職業とともに親から代々受け継がれるので、自ずと職業も決められてしまう。

人生の途中で階級が変わることはなく、その人生を善行で全うした場合のみ、輪廻転生で上のカーストで生まれ変わることもあるという。最も下のスードラ(シュードラ)という階級に至っては、掃除婦とか、ゴミ収拾とかの一般的に人々の嫌がる3K職業にしか就くことができず、最上級のカーストの影にさえも触れてはいけないという。更にカーストにも属さないアチュートという階級もあり、その中には、鳥や水牛よりも下の階級が存在するとか・・・。

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