上海虹橋空港復活で思うこと (1)
中国民航発祥の地・龍華空港
中国民航発祥の地
上海の空港の歴史

■羽田〜上海虹橋間に日中シャトル便が就航してから早くも一年が過ぎた。

 上海の空の玄関が、新中国50周年の1999年に開港した「浦東空港」に移って以来、虹橋空港では昨年の9月29日、約8年ぶりの国際定期便の復活だったのだ。

 上海虹橋空港は、もともと1907年に建設された軍用空港だったが、1963年にパキスタンのカラチとの間に国際航空路が開設されたのを機に一気に拡充され、以後軍民共用の国際空港として、36年間機能してきた。市内からも近く、上海の経済発展とともに利用客も増えつづけた。

 ピークであった1990年代前半には、市内にまだ高速道路もなく、鉄道も高架化されていなかったため、空港までの道はいつも気の遠くなるような渋滞。ホテルから空港に着くまでに4時間以上かかったこともあった。(成田〜上海間よりも遠い・・・)。

 当時添乗員だった者にとっては帰国日の空港までの道程は、手に汗握る懐かしい思い出だ。

 実は、上海にはもうひとつ空港があることをご存知だろうか?

 その名を龍華空港という。(当時の空港コードはSHA)。

 徐家匯の南方、龍華寺から少し下がった黄浦江の西岸にある中国民航発祥の地といわれるこの空港は、今でこそヘリコプターや飛行船の離発着程度にしか利用されていないが、1966年にすべての民間航空便が虹橋に移るまでの約37年間、上海の空の玄関として機能してきた中国を代表する空港だった。

 現在は、周辺の住宅開発と、2010年上海万博の会場整備のため、滑走路は途中で途切れ、ターミナルも廃墟同然になっているが、当時の整備場には、朽ち果てたプロペラ機が未だに放置されたままになっている。

 
HOME >>
一覧 >>