心のよりどころ・四国遍路の楽しみ方@

新年を迎え、初詣に出かけた方も多いだろう。

参拝客数が不動のトップ3である明治神宮・成田山新勝寺・川崎大師などに混雑覚悟でわざわざ出向く方もいれば、近所の小さな神社を訪れ、新年の誓いを新たにされた方も多いだろう。

普段は信仰などというものをほとんど意識せずに生活をしていても、正月やお盆、葬祭などの節目はもちろん、受験や願い事には“神様!仏様!”などとお願いしてしまうところを見ると、やはり仏教とは切っても切り離せないのが日本人。

今回は、宗教的行為の最高峰といわれる“巡礼”の中でも、弘法大師空海ゆかりの札所巡礼である“遍路”について紹介しようと思う。

“遍路”は、全国に数ある巡礼の中でも、弘法大師空海が開いた四国霊場88ヶ所の巡礼にのみ用いられる言葉。

都から遠く離れた四国の地は、平安時代には既に修験の島として知られ、交通事情が劣悪なこの地を辺土(へど)とよんだことから変移したものといわれている。

もともとは僧侶の修行や、弘法大師の霊力による奇蹟を求めてのものであった遍路が一般化したのは江戸時代で、『四国遍路道指南』というガイドブックが出され、『御師』などと呼ばれる参拝・宿泊世話人が生まれ、更には『講』のような巡礼手配組織も発生し、さながら現在の旅行業の原形ともいえる。

現代の遍路はかなりフレキシブルだ。

四国4県とはいえ、散在する88もの札所を順番に回ると総延長は1400`にも及び、1度にすべてを歩いて巡るには約1か月半を要する。そのため、昔ながらの歩き遍路の他、自転車遍路やバス遍路、車遍路にタクシー遍路など方法は様々。

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