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弾丸ツアー添乗後記

上海皆既日食(2009.7.22)観測ツアーに同行したS氏の添乗レポートです。



皆既日食(2009.7.22撮影中村雅彦)

7月に入りようやく盛り上がりを見せてきました22日の皆既日食、今回スワンさんの弾丸ツアーの添乗員に指名されましたが、まさか1泊2日とは驚きでした。

本当に目的は1つ、皆既日食観測そのものですから、それ相当なお客様の集まられるツアーであるので、少しは日食について勉強しようと思いつつ、すでに出発の当日を迎えてしまいました。

成田空港へ向かうスカイライナーの車内では、大きな三脚を持った旅行者が見受けられました。これから皆既日食を観測しに海外に行くのだろうと横目で流しながら、日程内容を再チェックしていましたが、今回の弾丸ツアーはまったく無駄な動きがない(出来ない)商品なので、お客様のリクエストもきっと専門的なものが出てくるのではと、少々不安ではありました。

予想以上に早いお客様の集合にビックリ

成田空港へは少々早目(集合時間の2時間前)に到着し、遅めの昼食を取り、CAのカウンターで、自身のチェックインとグループ扱いのお客様のチケットをピックアップしても、まだ時間に余裕がありました。そこで集合カウンター(エアサーブ扱いカウンター)の見えるベンチでお客様のデータを眺めつつ遠目でカウンターを監視していました。 

すると、集合時間の1時間も前から数名カウンターの前をウロウロしているではないですか、これはきっとツアー参加者のお客様と察知し、急いでカウンターを開けたところ、その状況を見ていらっしゃったお客様も集まりだしました。 

「きっと空港が混み合っていると思い早目に空港に向かったところ、予想以上に早く着き過ぎたのですが、特に何もやることがないので...」と、ホッとしてカウンターへ来られたお客様を皮切りに、あっという間に受付が終了、正式な集合時間(17:30)から10分しか経過しておりません、まずは皆さん時間だけは守っていただけそうなメンバーだと安心しました。特別な機材をお持ちのマニアック風な方は、残念ですがこの時点では見受けられませんでした。 

お客様には18時に再集合をお願いして、日本出国と上海到着時の案内と、次回集合は上海空港到着ゲート前とし一旦解散。全員が出国審査会場へ向かったことを確認し、こちらも出国審査に向かい、出発ゲート(44ゲート)まで延々と歩き続けました。 

CA920便は定刻通り出発しましたが、延々と30分近くかけて滑走路を進み、成田B滑走路より離陸、約3時間後、雷雨の中ではありましたが無事に上海へ到着しました。 

出発前に到着ゲート前で再集合の事前案内もむなしく、1名様先に入国審査会場へ向かってしまったようでありましたが、途中で合流、全員で検疫・入国審査・税関を無事通過しました。 ロビーで中村社長、現地スタッフの王さんに出迎えていただき、簡単に日程の再確認とホテルのルームキーを預かり、バス2台で慌ただしく空港を出発、まずは買い出しのスーパーへ直行し、約20分間各自飲料水や夜食を購入、その後ホテルへ向かいました。 

ホテル到着も深夜12時を回っていまして、お客様もかなりお疲れのご様子です。早速部屋へ案内しお休みいただきました。 各部屋の施設状況に不具合がないか、ロビーにて再度合流の中村社長・ガイドさんと打ち合わせを兼ね待機していましたが、特に問題がないようです。私も自分の部屋へ向かいました。 

ホテル「錦江之星」は、使い勝手も良く機能的なホテルでありまして、まったく問題ありません。 

バスの中でしきりにお客様より明日の天気について質問が出ていましたが、ガイドの康さんからは「明日の天気は降水確率95%」との案内、はっきりと雨模様とお客様に案内しないところがプロのガイドさんだと感心しましたが、内心はヒヤヒヤでした。 

天気ばかりはどうしよう出来ません。腹をくくって明日に臨もうと開き直りながら、僅かな睡眠(2時間)をとりました。

空はあいにくの曇り空と小雨模様だが・・・

翌朝は5時に起床、空はあいにくの曇り空であります。朝食会場は6時からのオープンでもありましたので、早々にスタンバイしてくれたガイドの康さんと雑談しながら、お客様の動向を伺っていました。

お客様も天気が心配のようで、朝食会場オープン前からロビーでワイワイ談笑を交えて情報交換、お互い天気が回復することを祈っていらっしゃるようです。朝食会場オープン時には、約半数のお客様が入口に並び、早目の準備に余念がありません。

6時45分、観測地へ向け最初のシャトルバスが出発しましたが、すでに気持が後ろ向きになってしまったお客様が多いのか、10名足らずと少なく、場合によってはホテルで待機する方も出やしないかと心配しましたが、後発の2本にて全員観測地へ向かいました。

観測場所の滴水湖畔は、中国人の観測者はほとんど見受けられず、唯一アメリカ人が一部の遊歩道を貸し切り(警備員を配置するほどの物々しさ)で使用(50-80名程度でしょうか)している程度で、特別混乱は生じない状況でありました。

今回ツアーの目玉でもある湖畔のカフェ2階の貸切の観測場所はお客様ごとに位置が指定され、すでに万全の態勢でお客様を迎えてくれました。

早速お客様は各々の観測機材(カメラ撮影のセッティングが主です)の準備に取り掛かっていましたが、あれよあれよという間に日食の第1接触がスタート、幸いにも雨は降らず相変わらずの曇り空ではありますが、最大食時には何とか雲が切れることを、携帯に結んだテルテル坊主と一緒に空を仰ぐばかりです。

雲の流れはかなり速く、しばしば太陽が顔を覗かせるようになりましたが、お客様の様子を眺めていると、「せめて最大食時にタイミング良く雲が切れてくれ!!」と、無言の悲鳴が湖に響いていました。

なにとぞ太陽を!  神様、仏様、胡錦濤主席!!

いよいよ最大食の時間が近づいてきました。あたりは夕暮れのように暗くなり、空気も冷たくなり...(祈祈祈)

絶妙のタイミングで雲が切れ・・・・

すると、待ってましたの絶妙タイミングで雲が切れ、最大食時のハイライトシーンを拝むことができました!! 2階の観測場所のお客様からも、湖畔のアメリカ人団体旅行客からも大きな歓声が沸き起こり、世紀のイベントは最高潮に盛り上を見せました。

完全に雲が切れなかったのは残念ですが、他の観測ツアーで上海に出向いている方々は全くと言ってよいほど観測不能であったこと考慮しますと、満点ではないでしょうか!

また、トカラ列島へ高額な費用で参加されていらっしゃる方々からも羨ましがられるような光景を、お客様とご一緒に迎えられたことに対し、私自身「ヤッター!!」と叫びたい心境でありました。

僅か5分30分の世紀の瞬間を観測出来まして、お客様は大変幸福な表情をされていらっしゃいました。ハイライトシーンが終了すると、これまた計ったように雨雲が沸き起こり、早々と太陽が姿を消してしまいまして、大粒の雨が舞い降りてきました。こりゃたまらんと言った具合に、お客様全員1階のカフェテリアに避難、ガイドに指示して、少々早目ではありますがホテルへ戻りました。

ホテルでは約1時間の休憩後チェックアウト、昼食会場へ向かう車中で、今回のツアーの目的が達成できたことによるお客様の充実感に満ちた表情は、未だ忘れることができません。

昼食会場でも、まるで昨日初めて出会った方々のツアーと思えないほど、皆打ち解け合っていらっしゃいました。少々豪華な重い昼食を満喫していただきまして食事も終了、1名様上海市内に向かわれますので、ここで別れでありましたが、本団は一路空港へ出発。

車内では、お腹が一杯でスヤスヤお休みの方や、デジカメに収めた映像を確認する方や、皆さんそれぞれの思いに浸りながら時間が過ぎ、約40分でバスは浦東空港へ滑り込みました。

しかし最後にまたヒヤリ...

空港到着後、成田到着時間が遅くなるのでこの場で解散式を取らせていただき、成田到着後、皆様三々五々ご帰宅いただくこととさせていただきました。無事全員(関西発のお客様も)チェックイン・出国審査を終え、出発時間まで免税店等で時間をつぶすお客様を横目で見ながら出発ゲートまで向かいました。

出発ゲートにはすでに飛行機が待機していましたが、どう見ても予定機材(B737-800)ではありません。お客様が徐々にこちらに向かって来ています。近くのゲートのCAスタッフに問い合わせてみても、自分の仕事ではないからでしょうか、冷たくあしらわれる次第でありまして、少々心配になってきました。するとものの5分と経たないうちに、ゲート変更の案内放送が入りましたが、幸いにも向かいのゲートでありましたので、大きなトラブルにはなりませんでした。

ホッとしたのもつかの間、ゲートオープンの時間になっても一行にスタッフが搭乗を開始しません。心配になりゲートのスタッフに聞いてみると、「ゲート変更に伴い機内に食事を運ぶのが遅れているため」とのこと。30分遅れにて、ようやく搭乗開始となりましたが、さらに機内で20分程待たされ、結局約1時間延発、成田到着(21時予定)後の交通機関を考慮すると、1時間の遅延は命取りです。

飛行時間短縮にて、少しでも時間を取り戻してもらえることを祈りましたが、案の定、50分遅れでの到着となりました。お陰様でリムジンバスにて東京や錦糸町、新宿までは移動可能でありましたので、特別な混乱やご参加のお客様への影響はなかったようでしたので、何よりでありました。

最後の最後でヒヤッとしましたが、皆様怪我や病気もなく無事終了しました。

<総評>


今回のツアーは、あくまでも皆既日食を観測することのみを目的とした点が最大のセールスポイントでありましたが、その点が非常に明確化されていたので、参加者も趣旨を理解されて申し込んでいただいた方の集まりでありましたので、通常の募集物のツアーとは一線を画していました。

今までもサッカー観戦の弾丸ツアー等、イベント目的意識のはっきりした短期間のツアーはいくつかありましたが、それに似合う価格の短期期間のツアーは、今後も旅行商品として注目されることと思います。

添乗業務としては、お客様の顔と名前を合致させるには、あまりにも時間がなさ過ぎますので、それなりに経験を積んだスタッフが必要にはなると思います。合わせまして、目的を達成するための手段を模索する経験豊富なスタッフによるプロジェクトとして体制を整えられないことには、お客様に満足いただく企画・催行は困難であると思います。

今回のツアーは、上記を加味し、まさしく中国のスペシャリストとしてのスワンインターナショナルの企画力と経験が遺憾なく発揮され、厳選された現地スタッフやガイドさんの協力のもと、成功裏に終了した模範的な内容ともいっても過言ではありません。

また、1泊2日のツアー(どこのツアーも最小2白3日)は、他の旅行社が考えもしなかった大胆な発想も多大に評価できます。

また、考え方次第ですが、中国沿岸部はすでに1泊2日にて旅行が可能なエリアです。時間的に強行ではありますが、沖縄1泊2日の旅行と大差ありません。

中村社長を筆頭に、今回のツアーに携わった様々な方々の努力とご協力に感謝申し上げます。また、「滴水湖の奇跡」として、素晴らしいひと時をご一緒させていただきましたお客様に、御礼申し上げます。

次回はインド?、イースター島? 中村社長、いつでも声を掛けてください!

(2009.7.27)

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