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石家荘の仏蹟めぐり
河北省南部は、北京からすぐの距離にありながら、資料も大変少ない。そこで北京出張の機会を利用し、定州・正定・趙州を日帰りで訪れた。

交通アクセス 北京から石家荘までは、京珠高速(北京〜珠海:約2600`)が通じており、300`の距離は2時間半〜3時間で行くことができる。

今回のルートで最も遠い趙州までは、石家荘から更に約1時間(高速建設中)。高速自体は、2車線ずつの快適な道路だが、やはり物資ルートのため、低速の大型トレーラーや長距離バスが多く、なかなか一定のスピードでは進めない。特に平日のバス移動であれば、更に1時間〜1時間半の時間的余裕は必要かと思われる。

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各地のみどころ ― 定州
開元寺塔

宋代創建。僧会能が天竺で得た仏舎利を収蔵するために建てた11層の塔がシンボル。

北宋時代は、この付近は契丹防衛の最前線として、敵情偵察用にも利用された。幾度の地震で、塔は半分崩壊したが、現在は復元されており、11階まで登ることができる。

文革により、塔内の仏像や壁画は多大は被害を受けたが、破壊されたままの極彩色の壁画は各層で見ることができる。併設して陳列館があるが、見るべきものは少ない。入場料35元。

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開元寺塔 塔内の壁画1 塔内の壁画2
写真: 開元寺塔と塔内の壁画
各地のみどころ ― 正定
開元寺 同じ開元寺の字だが、定州の開元寺とは特に関連はないそうだ。

南北朝の創建で旧城内にあり、現在は鐘楼と塔が残っているのみ。鐘楼は唐代の建立で、中国に現存する唐代唯一の鐘楼として価値が高い。

高さ48bの須弥塔は9層だが、内部には立ち入れない。明代建立だが、唐代の建築様式を伝えている。

境内には、世界最大といわれる贔屓があるが、城内で発見されたものを移したもの。入場料:10元。

世界最大の贔屓   須弥塔
写真左: 世界最大の贔屓。 写真右: 須弥塔。
広惠寺 創建は隋代とも唐代ともいわれているが、寺院は既になく、定かではない。

華塔といわれる独特の塔が唯一残っている。高さ40.5bの塔は、1〜3層が八角形、4層は円錐形で、その上に八角形の屋根と塔刹が乗っている。

浮き彫りが見事で、再建された金代の様式をとどめている。入場料:10元。

華塔
華塔
臨済寺 中国禅宗五家のひとつで、唐代の僧義玄を祖とする臨済宗発祥の地。9層33bの青塔が当時の姿を伝えている。入場料:35元。 青塔
青塔
凌霄塔 もともと天寧寺境内にあり、レンガと木材を混合した9層59.4bの塔だったが、地震で塔刹が崩壊し、現在は32.76メートル。心柱は放射状の梁で塔身と連結している。入場料:10元。 凌霄塔
凌霄塔
隆興寺 中国に現存する仏教寺院としては最大規模で、保存状態もかなり良い。

宋代の建立で平面が十字形の摩尼殿や、清乾隆年間建立の戒壇など、見るべきものは多い。

3層33bの大悲閣には、高さ22b、42本の腕をもつ千手千眼観音が安置されている。

千手千眼観音
千手千眼観音

また、最奥の毘盧殿には、3層の毘盧舎那仏坐像があり、蓮弁には、計1072体の仏が彫られている。入場料:40元。

弥陀殿
弥陀殿
各地のみどころ ― 趙州
柏林寺 10年前までは、趙州塔ともよばれる高さ18bの趙州陀羅尼経幢(石塔)が立つだけであったが、禅宗の浄慧禅師が復興し、大規模な柏林寺として発展させた。かつての観音院。

趙州塔は、1〜3層には楷書と篆書で陀羅尼経が刻まれており、他の層にも、仏教にまつわる故事が施されている。中国現存の石経幢中でも、最も重要なもののひとつ。入場無料。

趙州塔   鐘鼓楼
趙州塔             鐘鼓楼
趙州橋 正式には安済橋という。

隋代の架設で、既に1400年の歴史を持つ。長さ50.82b、幅9.6bで、28本の独立したアーチを綴り合わせて組んでおり、世界の橋梁史上でも極めて偉大な成果といわれ、この形式の橋がヨーロッパで建造されるのは、700年も後のことといわれている。

一帯は公園となっており、ボートやショッピングに訪れる地元客も多い。入場料:35元。

趙州橋 趙州橋
趙州橋
地方風味 ― 濃い味付けの農村料理
内陸のため、野菜や湖沼魚(草魚など)料理が中心となる。豆類や菌類は豊富。また、特産のはと麦を用いた麺(一見すると虫のように見える)や、野生の茸を煮込んだものなどが名物だが、決して裕福ではない農村地方のためか、やはり味付けは濃い。
野生茸の煮込み
野生茸の煮込み
豌豆の炒め物
豌豆の炒め物
ハトムギと麺とレタスの和え物
ハトムギと麺とレタスの和え物
 

視察を終えて

石家荘周辺は、禅宗の名刹が多い。
日本だと、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗が知られているが、座禅や達磨、沢庵程度の知識しかなく、どちらかというと日本人には馴染みが薄い。

この地域を訪れる日本人も、一部の酪農関係者を除いてほとんどが禅宗関係の方が中心になってくるので、単なる観光ではなく、文化交流が絡んでくることも多く、ある程度、この地域の寺院の格式や位置関係、訪問する日本人団体の性格や組織については把握しておく必要があると思われる。

団体の場合、バスを利用することで、移動時間も余計にかかるので、北京からの日帰りはかなりきつい。石家荘1泊を基本に考えた方がいい。

コースとしては、以下のルートが基本となる。

1日目:北京→定州(開元寺塔)→正定(隆興寺・臨済寺・凌霄塔・開元寺・広恵寺)→石家荘(泊)

2日目:石家荘(河北省博物館)→趙州(趙州橋・柏林寺)→北京

京珠高速(旧京石高速)は、途中のSA(サービスエリア)も多く、売店もまあまあ充実しているので、往復とも1〜2回の休憩を挟むことで、お客様の負担は軽減できるだろう。

通常は、北京のガイドがそのまま案内する形になると思われるが、北京のガイドでこの周辺の寺院を案内できる者はいないし、逆に石家荘には、日本語が堪能なガイドはあまりいないので、各寺院の担当者に出てもらうなり、石家荘のガイドを間に挟んで通訳するなどの工夫が要求される。北京のガイドが案内をすると、案内板や入場券に書かれたガイドブックレベルの案内なってしまう恐れがあり、お客様の満足は得られないだろう。 (M.N)

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