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イランからの季節の便り



今回はイランの農・畜産物についてのお話しです。

イランは比較的雨量や地下水の豊富な北部から西部にかけて、全土面積の約20%で農業や畜産が行われています。

写真はシラーズ郊外の菜の花畑

作物別生産量の統計を見ますと、世界ランク1位のサフラン、ピスタチオを筆頭に、3位のスイカ、キュウリ、4位に羊肉、9位にはレモン、10位はお茶となっています。

また、桃、ブドウなどの果物や乳製品も世界10位以内に数多くランクインしている、まさに農・畜産大国です。ここ数日の各州のニュースでは、作物の収穫についての報道が増えてきました。

カスピ海沿岸のギラーン州(Gilan)では、田植えが始まりました。

テヘランから5,600メートル級のダマヴァンド山を含む大きな山脈を越えると、景観は、緑いっぱいの山と田畑に一変します。カスピ海からの湿った空気が山に当たって年間の降水量が多く、夏は多湿です。

ここではイラン全体のコメ生産量の50%以上が生産されています。田植えは、ほとんどがいまだに人の手で行われます。家族・親戚総動員、お昼には持ち寄ったお弁当を広げる風景は昔の日本のそれとまったく変わりません。

燻製米という珍しい米も生産されており、炊くと燻ったような香りがして、色も茶色です。

ペルシャ湾岸のホルモズガン州(Hormozgan)のルーダーン(Rudan)という地域では、レモンの収穫が最盛期です。湾に注ぐ大きな川が街中を流れている地の利を生かし、およそ100件の農家が年間15万トンの収穫を目指しています。イランのレモン総生産量が約60万トンですので、かなりの生産量です。

イランの農業は水やりをするものと、天から降る雨のみに頼るものとに分かれますが、その比率は半々だそうです。

麦の生産は後者で、シラーズ(Shiraz)近郊の畑は麦秋の時期を過ぎました。このあたりは2月末から3月にかけて種まきが行われます。明日雨が降る、という日に蒔かなければ、せっかくの種をアリに食べられてしまうということでした。せいぜい4月上旬までしか雨が降らないシラーズ地方にあって、この生命力には驚かされます。

写真はシラーズ郊外の菜の麦畑

今月6日からはラマダン断食月に入りました。日の出から日没まで飲食できないのですが、日中40度近くまで気温が上昇するため、水分を取れないのが人間にとっては一番苦しいですね。

(2016年6月)



※イランの農業・畜産視察もスワンインターナショナルにお任せください。

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