オペラ座 今に残るコロニアル建築
かつてフランス領だったベトナムでは、ベトナム戦争の惨禍から復興した現在でも、数々の植民地時代の遺産を見ることができるが、その代表的なものが首都ハノイの中心部に残るオペラ座(大劇場)。
当時、アジア各国を植民地化していったヨーロッパ人の特徴として、“イギリス人は公園と競馬場をつくり、フランス人はオペラ座と監獄をつくる”といわれるが、このハノイのオペラ座は、パリのオペラ座を模して1911年に完成したもので、現在も数々のコンサートやイベントで現役で活躍している。
100年以上も前に造られたコロニアル建築は、その外観はもちろん、内部の装飾は一見の価値があるが、残念ながら観光用には開放していないため、ここで開催されるイベントのチケットを入手するしかない。
ベトナム国立交響楽団
ハノイにはこのオペラ座を拠点とする1959年創立の国立交響楽団があり、2009年から日本の本名徹次氏を音楽監督として迎え、年60回にも及ぶコンサートを開催し、世界中から著名な指揮者やソリストを招いて共演することで飛躍的に技術が向上し、近年では世界各国に招かれて公演を行っている。
ちょうど2013年は日本との国交回復40周年ということもあり、9月から10月にかけて日本各地で記念公演を実施したばかり。この度、その凱旋公演となる第64回定期公演(10月18日)のチケットを入手し、歴史建造物であるオペラ座でのコンサートを鑑賞する機会を得た。
今回のテーマはブラームス。指揮者はドイツから招かれたヨナス・アルバー、ヴァイオリンのソロには中国国家大劇院のオープニングアクトも務めた王之Qを招いての豪華な布陣。
今回、運良く2階中央の座席を確保できたこともあり、素晴らしい音響の中、まるで自分がヨーロッパにでもいるかのような錯覚を覚えるほどの豪華な雰囲気の中、いつもは退屈にしか感じない約2時間のクラシックコンサートはあっという間に終了した。
高級フレンチ料理
館内には、ベトナムを代表するフランス料理店“1911”があり、在住フランス人が2000人以上というハノイでも人気の、質の高いフレンチを楽しめる。
|