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2017年8月 米アイダホ・皆既日食観測の旅
ツアーレポート
8月19日に出発した「米アイダホ・皆既日食観測の旅」は、現地時間の8月21日、快晴の素晴らしい空の下、完璧な皆既日食を迎えました。
いろいろありましたが、日食撮影はおかげさまで大成功、さっそくレポートをお届けします。

■ ユタ州都ソルトレイクシティへ

8月19日(土)、4年前から準備を進めてきたアメリカ大陸を横断する99年ぶりの皆既日食ツアーのスタートは、羽田空港からアメリカン航空でロサンゼルス乗り継ぎ、ソルトレイクシティへ。

アメリカの国内線は、それが同一航空会社同士の乗り継ぎであっても、遅れてきた旅客を待たずに時間になると発ってしまうので、もともと便数の少ないソルトレイクシティ行きということもあり、万一の遅延のことも考えて、十分な時間の余裕を持たせておいたのだが、ターミナル内のモニターを見ると約1時間程度の遅れ。お客様には出発時間まで思い思いに過ごしていただくことに。

しかしその間にも出発予定は二転三転し、最終的に出発したのは、当初の出発時刻である16時40分から約4時間遅れの20時29分。

ロサンゼルスとソルトレイクシティの間には1時間の時差があるので、到着したのは23時近くとなり、夕食を済ませてホテルに入ったのは既に日付が変わってから。参加者の皆さんも、さすがに長い待ち時間にはお疲れの様子だったが、最悪、フライトキャンセルも脳裏に横切っていただけに、何とか到着しただけで御の字だ。

*  *  *

■ 決戦の地・アイダホ州アルコへ

当初、アメリカ国内では今回の皆既日食はさほど話題にもならず、一部の日食ハンターと外国人が盛り上がっていたに過ぎなかったのだが、7月に入ったあたりから、CNNなどの巨大メディアをはじめ、ローカル局に至るまで連日、皆既日食の特集を組むようになり、それに合わせた様々なイベントも各地で発表されるに伴って全米で話題が集中。

ポートランドやシアトルなどの大都市から移動が安易なオレゴン州内の各観測地では、1週間ほど前から慢性的に30〜40キロの渋滞が発生しているとかで、隣接するアイダホでも同様の懸念があったが、今回の観測地に選んだアルコ(ARCO)は、前日にもかかわらず途中の渋滞もまったくなく、約4時間かけてやって来た町の中心部は、拍子抜けするほどガラガラ。

一路、アルコへ

ユタ州からアイダホ州に入る

カメラや機材は車内に持ち込み

青空が広がり、明日への期待が広がる

*  *  *

■ レストランからの直前の通達・・・

今回の観測地に選んだアルコ(ARCO)の町の中心部は、拍子抜けするほどすいていたとはいえ、それでも、人口1000人にも満たない小さな町に今回は1万人以上が訪れるらしく、直前になって、アルコで予約しているレストランから、「町からの指示で、食事はすべてfirst come, first seated(来店順に着席)せざるを得なくなった。」というショッキングかつ一方的な連絡がきた。

もともと数えるほどしかレストランのない町なので、ホテルに隣接したこのレストランで今日の昼と夜、そして明日の朝と昼の計4食を予定していたのに、その予約はすべてパー…

町の指示なので、他のレストランも状況は同じ。実際に店に行って並ぶしか方法がなくなってしまったため、バスの車内でお客様にはその旨ご説明し、ガイドとドライバーを先に店に行かせて、座席を確保することで、なんとかご理解をいただいた。


拠点となるDK MOTEL。

アルコの町では最大のモーテル。最大とはいっても30室にも満たない家族経営モーテルなので、その大部分を当ツアーで占め、他にツアーらしいグループはなし。

町のすべての宿泊施設は満室状態。

*  *  *

■ 観測場所はホテル正面の美しい公園

観測場所に選んだのは、ホテルから道を挟んで正面のDEVIL BOAT CITY PARK。世界初の原子力発電所であり、世界初の高速増殖炉をもつEBR-1という施設(現在は稼働していない)が近いこともあって、アルコは原子力の町としても有名で、この公園にあるのは原子力潜水艦の艦橋。その船体番号が“666”であることからDEVIL BOATと呼ばれている。

一帯は美しい芝が広がり、町役場からも“自由に使っていい”という確認は取れていたので、下見を兼ね各自ポイントを決めていただいた。

デビルボートの艦橋
←事前に購入した観測用チェア。

*  *  *

今回、条件がいいとされるアイダホ州の中で、山間部の小さな町アルコを選んだ理由は、
  • 風上となる南西方向に森林がない(万一の山火事でも、煙が流れてこない)
  • 太陽の方角にセンターピボットがない(急激な気温低下でも、散水による雲が発生しない)
  • 大きなホテルがない(大人数のツアーが宿泊できず、流入してくる人数がある程度制限される)
  • 万一の悪天候に備え、30分以内に代替候補地が複数あり、すぐに移動が可能

観測場所より南東方向

木陰もあるので、木洩れ日の観測も可能。
テスト撮影。

*  *  *

■ 到着後〜クレーターズ・オブ・ザ・ムーン

アルコに午前11時45分頃に到着し、早速レストランに行ってみると、たまたま空席があったので、まずはそのまま昼食。その後、清掃を終えたばかりのDK MOTELにチェックインし、簡単に明日の準備を整えていただいた後は、郊外にある溶岩台地クレーターズ・オブ・ザ・ムーンへ。

アメリカ随一の噴出地形であるこの公園には、25を超える火山と60もの溶岩流が確認されており、ほんの2000年前まで溶岩が噴出していたことがわかっている。

すり鉢状の火口はまさにクレーターで、この特異な地形を散策。ここは、アイダホからオレゴンへと続く州間高速道路(インターステート)84号線沿いの町からも近いので、公園スタッフによると、今回の皆既日食に合わせて訪れる観光客は20万人とか!


国定記念物なので、砕けた溶岩も持ち出し禁止

押し出されて波打った溶岩流

ビッグクレーターと
名付けられた噴火口

展望台より火山群と溶岩流を遠望

*  *  *

クレーターズ・オブ・ザ・ムーンを観光し、町に戻った後は、スーパーで簡単な買い出しと明日の準備。
機材を組み立て、テスト撮影を済ませたところで夕食の時間。


スーパーは皆既日食の時間帯は臨時休業


テスト撮影。

■ 夕食

先に店に行って座席を確保してくれたガイドとドライバーのおかげで、待ち時間も最小限に留めることができたが、普段は顔なじみ程度しか来ない小さなレストランに、押し寄せた観光客の波をさばききれるような経験があるはずもなく、料理が運ばれてくるまでに1時間半もかかってしまった。

さらに、常に2時間を超えるような順番待ちの行列が続いていたこともあって、明日の観測や撮影に支障を及ぼさないよう、日食当日となる明日の朝食は、急遽お弁当に変更した。

アルコ滞在中、
すべての食事はこのレストランで。
夕食のハラペーニョバーガーと

10オンス(280グラム)のステーキ

*  *  *

■ 明日の予報は晴れ!

天気予報を確認すると、早朝に多少の雲が出る可能性はあるものの、日食の時間帯は快晴!万一の場合は、ドライバーと打ち合わせの上、30分程度の範囲で隣接する町に移動する準備は整えていたが、その心配もなくなり、あとは夜が明けるのを待つばかり!

部屋のテレビをつけてみると、皆既日食の特別番組がずっと流れている。

そして、いよいよ完璧な天体ショーのはじまり・・・!

■ いよいよ決戦

迎えた8月21日(月)。
注文していたお弁当を午前7時に受け取り、それぞれのお部屋で朝食を済ませていただいたら、いよいよ機材を持ってホテル正面の公園へ。

自動追尾のためのポータブル赤道儀を設置し、カウントダウンのためのパソコンとBluetoothスピーカーを接続したら準備は完了!

夜明けの空。
 雲はほとんどない。


朝食のお弁当は
バタートーストとハッシュポテト

カウントダウンの準備

*  *  *

月の影の現在位置や残り時間は、画面で確認しながらご案内する

観測準備 1

観測準備 2

観測準備 3

観測準備 4

公園の向こうはレストラン。
その右手にはDK MOTEL

広い芝生を独り占め

*  *  *

■ 日食がスタート

夜明けにごくわずか残っていた雲は完全に消え去り、全天にわたって見事な青空が広がる中、午前10時13分44秒、部分食がスタート!

10時13分 第一接触

10時32分 食分25%

黒点を横切る月.

10時51分 食分50%

11時11分 食分75%

木洩れ日

第二接触直前の細い太陽

11時31分 第二接触(ダイヤモンドリング)

月面の凹凸によるベイリービーズ現象。

皆既中の内部コロナ。

皆既中の外部コロナ。

見事なプロミネンス

プロミネンス(拡大)

11時32分 第二接触(ダイヤモンドリングとプロミネンス)

1分40秒の皆既を終えた直後

11時53分 食分75%

12時13分 食分50%

12時34分 食分25%.

12時55分 第四接触

*  *  *

皆既(第二接触〜第三接触)を終えたところで撮影を終了される方もいらっしゃれば、最後の第四接触まで観測を続けられる方もおられるため、それぞれご自身のタイミングで機材の撤収をしていただき、終わった方からホテルへ。

ホテルの部屋は午後も使えるように手配してあるので、シャワーを浴びたり、荷物をまとめたりと、有効に時間を使っていただいた。


全経過

*  *  *

■ 帰途は気の遠くなるような大渋滞…

すべての行程を終え、午後1時から昼食。全員同じテーブルでとはいかなかったが、観測の大成功を記念してコロナビールで乾杯!

ホテルをチェックアウトし、アルコを発ったのは午後3時半だが、さすがに帰りはオレゴン東部からアイダホそしてワイオミング各地で観測を済ませた車がほぼ同時間帯に一斉にソルトレイクシティを目指したため、まるで日本のお盆や正月明け並みの大渋滞が発生!


ソルトレイクシティに戻る車で大渋滞。

山間部なのにほとんど動かない場所も。

*  *  *

途中のレストエリアも満車だし、一旦立ち寄ろうものなら本線に合流するのもまた時間がかかるしということで、ソルトレイクシティまでの約400キロは休憩なし(車内にトイレはあります)で走ったものの、往路は3時間半で走れた道が、戻りは倍近い6時間半!

時間も午後10時となり、もともと夕食を予定していたレストランは既に閉店時間を過ぎていたので、バスの中でインターネットと電話そしてサンフランシスコにいるスタッフを総動員してヒルトンホテル内にあるステーキハウスと交渉し、なんとか個室を確保。

かなり遅い夕食となってしまったが、全員でテーブルを囲んでの最後の夕食。


フィレステーキに蟹肉とアスパラをあわせた逸品

夕食を終え、ホテルのチェックインを終えたのは午前0時を回ってから。今回は日食が日中だったので、前日は多少ゆっくりとお休みいただけたとは思うが、大渋滞の中での長時間移動はさすがにみなさんお疲れの様子。

*  *  *

■ スムーズな乗り継ぎで定刻に帰国!

8月22日(火)、3泊5日のツアーは早くも最終日。ソルトレイクシティからロサンゼルスへ移動し、約1時間40分で帰国便への乗り継ぎ。

前夜にお願いして、朝食の開始時間を午前5時にしてもらっていたので、ホテルで各自朝食を済ませていただいたら、午前6時15分にホテルを出発。

朝のソルトレイクシティ空港はいつもかなり混み合っているし、当然それに日食帰りの観光客も加わるので、余裕をもって出発できたおかげでまだ空港カウンターは列もなく、スムーズにチェックインを完了。

ロサンゼルス行きの便は定刻に離陸し、ロサンゼルスに乗り継いだ後、予定通り帰国した。



お詫びと御礼

今回のツアーでは、初日の大幅な国内線の遅れやレストランの予約問題、更にソルトレイクシティへの復路の大渋滞など、様々な問題が発生したにもかかわらず、ご参加のお客様には都度ご理解とご協力をいただき、なんとか滞りなくツアーを終えることができました。

この場をお借りして、お詫び申し上げますとともに、心より御礼申し上げます。最大で唯一の目的である皆既日食については、複数のご参加者様から、「これまで観た中で最高の皆既日食だった」という声もいただき、大変ご満足をいただけたものと自負いたしております。皆様、ご参加ありがとうございました。   (Nakamura / 28 Aug. 2017)

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フォトギャラリー(参加者の方々からお送りいただいた写真をご紹介します)

天文シリーズ
米アイダホ皆既日食ツアーレポート(2017)
米アイダホ皆既日食フォトギャラリー(2017)
三陸で観測・皆既月食撮影!(2015)
アイソン彗星消滅!(2013.)
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オーストラリア皆既日食ツアーレポート(2012)
トリプル金2012の最後を飾る金星食
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