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シロアリ社会と人間社会
負けてはいられません・・・

ケミカル製品大手メーカーのお客様から伺ったお話を紹介します。

もともとシロアリは家屋の木材を専門に狙って巣を作る生物ではなく、湿気が多く薄暗い山林にアリ塚を築き、独時の社会構成を組み立て、ひっそりと暮らしていた無害の昆虫でありました。

が、近年、住宅建設による森林伐採や宅地開発等で人間から彼らの生活区域に入り込んでしまい、彼らの生活環境を変えてしまったことが、彼らを害虫に変えた大きな原因のようです。

また、人間がシロアリが好む湿った薄暗い環境を、住宅の床下や屋根裏に提供してしまった為、被害が発生しても自業自得、ということではありますが、駆除も様々な方法が開発されています。

シロアリは、つがいのシロアリが巣を作り、卵を産み、羽化しアリたちが働きアリと兵隊アリに分かれ、アリ塚という共同住宅の中で、明確な役割分担のもと、世代交代を繰り返しながら巨大なアリ塚を作り上げていきます。

アリ塚内部では、まるで人間の会社組織と同じような光景が見られるそうです。

食料の貯蔵庫・幼虫を育てる託児所・働きアリや兵隊アリの休憩施設等、かなり充実しているようです。

また、上司の命令には絶対服従(これは人間の会社組織とは異なるかも知れませんが)で、上司は数万匹の部下を抱え、日夜アリ塚の生活向上に努めているようです。

研究者の方から聞いた話では、働きアリの約30%はろくに働かずフラフラしているそうです。

皆で一生懸命働いている光景をTVのドキュメンタリーで見かけますが、こういうアリばかりではないようです。

昆虫の世界では、同種同士であれば体の大小によって優劣が決定するようで、人間社会のように、能力によって役職がついたり給料の差がついたりということがなく、アリにも心労があるのでしょうか、ヒラの働きアリより管理する立場の働きアリのほうが、寿命は短いようです。

ある意味人間社会と同じですね。

2〜3ミリ程度のシロアリが数万、数十万mの数で住宅1軒を食べつくし崩壊させてしまうほど大きな力を有すということは、ものすごいエネルギーを感じます。

我々人間も1人の力では敵えなくとも、お互い協力し合い獲得できる能力を持っていますから、可能性は無限であります。

シロアリになんか負けていられません。


(東京 M.S氏)

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