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チベットには、数々の素晴らしい寺院や歴史遺産がありあますが、やはり漢化(中国化)政策の影響は大きく、5回目の訪問となった1993年には、チベット仏教の総本山である大昭寺前の広場にカラオケバーが開業し、お客様の残念そうな失笑を買いました。
聞くところによると、最近ではマクドナルドやスターバックスもできたらしく、チベットで暮らす人々にとってはずいぶん生活も改善されたでしょうが、やはり旅行という観点から見つめる立場としては寂しい限りです。
人からよく “中国でどこが良かった?”と聞かれますが、私は今のところ“チベット”と答えるようにしています。
最後の訪問となった8回目の1995年から既に10数年を経ており、シルクロードの烏魯木斉がそうであったように、既に拉薩も少数民族がその名のとおり少数派となり、他の地方都市と同じような都会になっているかもしれません。
現在のチベットを見たい気持ちもありますが、心に刻まれている古き良きチベットの想い出やイメージが崩壊するのが嫌な自分もいるのです。
これも時代の流れでしょうか・・・。
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チベットには、私の大好きな風景が3つあります。
1つは、拉薩から約110`離れた高度4,800bの峠・カンパラを越えるとともに眼下に広がる紺碧の湖・ヤムドゥク湖。
海抜は4,500bはあるはずなのに、富士山よりも遥かに高いこの湖畔には緑が生い茂り、魚もたくさん住んでいます。天気が良ければ遠くにヒマラヤを望むこともできます。

2つ目は、ダライ・ラマの宮殿で、“垂直のヴェルサイユ” の別名をもつ拉薩のシンボル・ポタラ宮の中にある観音菩薩像。
菩薩は、性別不詳といわれますが、その妖艶な顔立ちと豪華絢爛な装飾にひと目惚れ。(写真を撮るのに100元とられました)

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そして3つ目は、観光客はまず訪れない、タクラ・ルプクという小さなチベット仏教寺院の2階から望むポタラ宮。

青空とポプラ並木の緑に囲まれたその威容は、見るものを圧倒する神々しさがあります。タクラ・ルプクは、街をフラついているときにたまたま見つけた場所ですが、チベットで最も好きな場所のひとつです。
私は、今までチベットに入って、一度も高度障害に遭ったことがありません。ガイドやドライバーも驚きますが、普通に走れるし酒も飲めます。
しかし、拉薩から成都に戻ったときに必ず鼻血が出るというのは、高度障害ならぬ“低地障害”?
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