さて、イタリアと同様、同族でもあるスペインでも食事時のワインは欠かせませんが、料理以外に彼らには「シエステ」という習慣があります。現在ではかなり失われてきた習慣ではありますが、地方に行くと未だ根強く残っています。

「シエステ」とは、昼寝の習慣です。昼食を終えると、約2時間昼寝の時間があります。午後の企業訪問等の手配の際は、特に注意しなければなりません。
スペイン人(全国民ではりませんが)は、朝8時頃より仕事を始め、12時から約2時間昼食を取り、その後2時間シエステをして、午後4時から8時ころまで仕事をして帰宅、9時過ぎ頃から深夜12時頃までゆっくりと夕食を取ります。
日本人から見れば全く持って仕事に身が入らないような1日の流れですが、サクラダファミリア等の有名建築物をデザインしたガウディも、このような習慣からアイディアがうまれたのでしょう。
以上、食生活も国によってさまざまです。この異なった習慣から独自の文化・宗教・哲学等が生まれ、独自の国民性を生み出すと考えますと、現在の日本は今まで培った独自の習慣を失いつつあるのではないかと思われます。
相手を敬う礼作法等、日本人の良い習慣を改めて見直すよう教育(学校のみならず家庭でも)を再度修正する必要があるのではないでしょうか。
好ましくない新しい習慣として、朝の通勤電車の車内でのイヤホンからの音漏れや化粧をする女性の姿はもはや日常的ではありますが、さらにスナック菓子やパン、中には弁当を食べている光景を見ることもしばしば、となりの人にこぼしてしまったら….などと考えも及ばないのでしょうか、乳児をお連れの母親は別でありますが、通勤電車は食事会場ではありません。
習慣が習慣でなくなるのは、習慣を養うことより、容易いことなのです。■
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