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ツアーフォトレポート

2024年4月8日 メキシコ皆既日食観測の旅

■ 直行便にてメキシコシティへ

 2019年チリ以来、5年ぶりとなる皆既日食ツアーの目的地はメキシコ。アエロメヒコ航空の直行便利用で成田からメキシコシティまでは約12時間のフライト。

 このツアーを企画していた段階では成田出発は午後2時過ぎだったのが、突然のスケジュール変更で午前9時半の出発となり(成田に前泊された方も多かった様子)、メキシコシティに到着したのは、強いジェット気流の追い風もあって早朝の午前6時半!



メキシコシティへのフライトマップ

 翌日からバスでの長距離移動を控えていることもあり、この日は直接メキシコシティ周辺の観光へご案内。

ポルトガルのファティマ、フランスのルルドと並んで【キリスト教世界三大奇跡】として世界中から巡礼者が訪れる「グアダルーペ」の大聖堂を訪問した後は、世界遺産テオティワカンへ。



キリスト教世界三大奇跡・グアダルーペ大聖堂


テオティワカンの太陽のピラミッド

 紀元前1世紀もの古代から、高度で精密な天体観測技術を持っていたことでも知られるマヤ文明の遺跡では、有名なピラミッドの他、水を張って投影した星で天体を観測したといわれるプールや、“皆既日食” を記録したといわれている壁画を見学。


テオティワカンに残る“皆既日食” を記録したとされる壁画

■ 観測のベースとなるドゥランゴへは880キロのバス移動

 翌日(4月6日)からは、皆既日食観測のベースとなるドゥランゴまで約880キロ、まる2日にわたるバス移動。

 このツアーでご用意したバスは、まだメキシコ国内では数少ないスペイン・イリサール社製の最新型55人乗り大型バスで、各座席には電源コンセントとUSBポート。もちろんトイレも完備でお一人様2座席保証の余裕のスペース。


最新型55人乗り大型バス


かつての醸造所を利用したテキーラ専門店へ


サンルイスポトシのカテドラル

 途中、ガソリンスタンド併設のコンビニやサービスエリアでのトイレ休憩を挟みながら、広大な大地が広がるメキシコのロングドライブ。

 サンルイスポトシでの宿泊を経て、皆既日食をいよいよ翌日に控えた4月7日、先に観測会場の準備のためにフライトでトレオン入りしていたスタッフより “天候が思わしくない” 旨の報告が・・・。 

 日本出発前から、3つの海外天気予報サイトの情報を比較しながら観測地周辺の天気はチェックしていたのだが、どのサイトを見ても皆既日食当日の天候は “曇り”。

 しかもOVERCASTといって、ほぼ全天が雲に覆われるほどの雲量という予報が続いていた。

  海外の天気予報はハズレることが多いし、メキシコ中央高原はもともと目まぐるしく天気が変化し、曇ったかと思うとあっという間に晴間が広がるような場所であることはわかってはいたものの、人工衛星からの画像による雲の流れを見ると、太平洋から皆既帯に沿って雲の流入がずっと続いており、今回の天気予報はあながちハズレでもなさそうな怪しい雲行き。


皆既日食前日(4月7日)のトレオンの空の様子

 トレオンに前乗りしているスタッフには、“昼の時点で最終的に観測地を決定する” ことを伝え、ギリギリまで天候情報を分析した結果、思い切って観測地を変更することにした。

 昨年の事前調査の際、皆既帯にそってドゥランゴ郊外のエル・サルトからトレオンまでの10数か所を視察していた。

 天候条件はもちろん、観測環境等を総合的に考えた上でトレオンのリゾート施設に決定したのだが、先述したようなメキシコ特有の変化の多い天候は懸案事項として残っていたので、最終候補としていた5箇所の観測地の中心にあるドゥランゴを宿泊地とし、万一の場合は他の候補地に移動できるようにしておいた。


今回の観測候補地

■ いよいよ皆既!

 4月8日皆既日食当日、午前6時半にホテルを出発し、約1時間半でドゥランゴの西郊外にある牧場へ。

 太平洋側から吹きつける湿った風が、ちょうど山を越えた場所に位置しているので、空気は乾燥しており、厚い雲に覆われた市内とは対照的に快晴!



 ここも、2つのグループが数日前より滞在している話は事前に聞いていたので、観測場所が被らないよう、トイレにも近い入口付近の草地を使うことにし、それぞれ観測準備。




美しい彩雲も見られた


 観測準備が完了したら、日食開始までの時間を利用して牧場内のレストランで朝食。

 そして午前10時54分、部分日食の始まり(第一接食)。時間の経過に伴って時折薄い雲がやって来るものの、全体的には晴れ間が続き、順調に食が進行。食が深くなるにつれ気温も徐々に下がり、半袖では寒いほど。


10時54分 第一接食


11時33分 食分50%


12時08分 食分98%


12時10分23秒、天空に輝くダイヤモンドリングと共に周囲が一瞬にして暗くなり、皆既へ突入。


皆既中に肉眼で見える彩層とプロミネンス


皆既中の南の空。太陽を中心に西に金星、東に木星。


外部コロナ。活発期のため、全方向に広がっている。


長く伸びた炎が確認できるプロミネンスと内部コロナ。


12時14分46秒 第三接食のダイヤモンドリング


12時15分 食分98%


三日月形の木漏れ陽


12時56分 食分50%


13時35分 第四接食

 あっという間に周囲が明るさを取り戻したのと同時に急速に気温も上昇。その後は波のように次々と流れてくる雲の合間を狙っての観測となったが、無事13時35分に全工程終了。

 機材を撤収し、ホテルに戻ったのは午後3時過ぎ。朝食時間が遅かったことと、昼の時間を跨いだ日食だったために昼食のご用意ができなかったこともあり、午後5時から早目の夕食にご案内。

 イタリアンレストランでカルパッチョやピザと一緒に恒例のコロナビールで乾杯!

■ 復路も世界遺産の観光を楽しみながら。そして帰国。

  翌日からは、またメキシコシティまで2日にわたるロングドライブ。ドゥランゴ歴史地区を散策した後はサカテカスへ。

 町ごと世界遺産のサカテカスでは、メキシコ随一の高級ホテル・キンタレアルに宿泊。キンタレアルは各地の歴史建造物などを利用してホテルに改装していることで知られているが、サカテカスの前身は闘牛場!

 夕食はこの素晴らしい施設内のレストランを予定していたが、なんでも、日本人がグループでこのホテルを利用するのは非常に稀だそうで、支配人が気を利かせて、まさかのアレナ(アリーナ)のど真ん中にディナーテーブルをセッティング・・・。


ドゥランゴ歴史地区を散策


闘牛場を利用した高級ホテル・キンタレアル

 アリーナの真ん中での食事はさすがに恥ずかしいし、夜は寒くて料理も冷めてしまうので、丁重にお断りした。

 その後も、グアナファトとソチミルコという世界遺産を巡り、予定通り、4月13日土曜日早朝に帰国した。


世界遺産グアナファトの町並み


世界遺産ソチミルコの遊覧船

■ さいごに・・・

  今回のメキシコ皆既日食観測の旅は、結果的には運に恵まれたが、これまでとは桁違いに天候の予測が難しく、観測地の変更もギリギリまで悩みに悩んだ末の決断。

 それでも時折雲が流れ込み、100点満点とはいかなかったが、皆既時間が4分以上と長かったことも幸いし、ダイヤモンドリングやコロナ、彩層、プロミネンスと、皆既日食のオールスターを観測いただけたのは良かったと思う。

 また、4月上旬のメキシコ路線は、イースター休暇+中南米からの桜目当ての訪日旅行で例年ピークシーズンであることに加え、今回の皆既日食のグループが集中したことで、アエロメヒコ航空のオーバーブックが顕著で、2日ほど前から、空港に行っても搭乗(帰国)できない日本人グループが複数出ているという情報を得ていたので、最終日は午後の早い時間に一度空港に出向き、現地スタッフの努力でなんとか搭乗券を先に入手した上で、改めて市内観光に戻るという方法を取り、予定通り帰国できた。

 ご参加くださった皆様には、その都度大変なご面倒やご不便をおかけすることになったにもかかわらず、ご理解とご協力をいただき、滞りなくツアーは終了。

 このたびはご参加ありがとうございました。心より感謝申し上げます。次回の皆既日食ツアーは2026年8月スペインを予定。

(M. Nakamura)


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