大草原の飛行場 (2)
滑走路はどこに・・・・
大草原の飛行場 (1)
大草原の飛行場 (2)
大草原の飛行場 (3)

■本当に何もない。

私が行ったのは11月だった。眼下はベージュ色の大草原。

時折ポツリポツリと遊牧民のゲル(中国名:パオ)があるだけという単調な景色の中で、多少退屈してきたころ。

 龍虎似のスチュワーデスが叫ぶ「ダランザドガドが見えてきました!」 という案内と同時に、機体は高度を下げ始めた。

 しかし、窓側に座っていた私からも、空港はもちろん滑走路さえも見えず、視界にはたくさんの羊がいるだけだ。

 にもかかわらず、機体はお構いなしに、グングン高度を下げて行く。

 TVの野生の王国(古い?)で、キリンやシマウマが低空の飛行機に追われて逃げる姿を上空から撮影した画像がよくあったが、それと同じ光景が繰り広げされている。

(なんせ羊なので、キリンやシマウマほどの迫力はないが)。

“着いたの?” とガイドに聞くと、
“もうひと回りです。”
“???”

 地上近くまで高度を下げた機体は、今度はなんとアクロバットのように急上昇を始め、大きく旋回してから大草原に着陸した。

 そして降り立ったダランザドガド空港は、ターミナルも滑走路もなく、ただ大草原に申し訳程度の砂利が敷いてあるだけで、柵も何にもない。

 飛行機もたまにしか来ないので、いつもは羊がいるらしく、轢いたら大変なので、一度高度を下げ、追っ払ってから着陸するとか・・・・・恐るべしモンゴル国内線。

 
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