大好きなチベットの風景
高度障害と酸素吸入器
はじめてのチベット
高度障害と酸素吸入器
大好きな風景

 チベットの都・拉薩は、3,800mもの高地にあり、酸素は平地の約70%しかありません。

 お湯は80℃で沸騰します。

 四川省の成都から、いきなり飛行機でこの“天空の都”に足を踏み入れると、ほぼ全員が高度障害に苛まれることになります。

 高度障害は、脳に十分な酸素が供給されないことによってあらわれる下痢や不眠、食欲不振、チアノーゼなどの症状の総称で、おとなしくしていれば、個人差はあれ2〜3日で順応するのですが、時間がもったいないからと無理に動いたりすると、更に重症のいわゆる高山病となり、耳から出血したり、高熱が続いて死に至る場合もあります。

 私は、これまでに8回チベット入りをしていますが、悪天候で飛行機が1日遅れたためにチベットでの滞在時間が短くなったツアーが、チベット到着日早々から、無理に日程を消化したばかりに、添乗員を含めた23名全員が翌日病院送りになったという失態も多々見かけました。

 拉薩で外国人が利用するホテルには、各客室に必ず酸素吸入器があります。

酸素吸入器
酸素吸入器

 拉薩の空港は、市内から2時間も離れており、反応が早い人だと、市内に到着する前にもう頭痛を訴える人もいます
 添乗員は、お客様には速やかに部屋で休んでもらうと同時に、順番に各客室をまわって酸素吸入器の使用方法を説明していきます。

 しかし頭痛に耐えられなかったからか、説明のために部屋を訪れたときには、すでに自分で使用を開始しており、本来は鼻に入れなければならない(多数の宿泊客が鼻に入れてきたであろう)2本のホースを口にくわえて“ぜいぜい”言っているお客様の姿を見たときには、さすがに本当の使い方は説明できませんでした。

 
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