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心のよりどころ・四国遍路の楽しみ方B
四国全土に散らばる88の札所はそれぞれに特徴がある。

徳島県の1番札所霊山寺から10番札所切幡寺のように札所の間隔が数百bから数`程度しか離れていない場所があるかと思うと、高知県の37番札所岩本寺から38番札所金剛福寺までは実に90`以上もの距離があり、歩き遍路ならこの区間だけで3日かかってしまうような場所もある。

足摺岬にある38番札所・金剛福寺からの日の出。
今年1月3日撮影。
24番札所・最御崎寺は室戸岬の先端。

四国は、北は穏やかな瀬戸内海、南は荒々しい太平洋に挟まれており、険しい四国山地が中央を東西に貫いている。

渦潮の鳴門、荒波の室戸岬、坂本龍馬ゆかりの桂浜、断崖絶壁の足摺岬に、宇和海に続くリアス式海岸など、どこに行っても風光明媚な風景を堪能することができ、従来の信仰に基づくものも当然ながら、自分探し(菅直人?)や癒し、心のダイエットを目的としての遍路人気も年々高まっており、年間30万人もが訪れているといわれている。

88ヶ所の札所すべてを巡拝したら、再び1番札所(霊山寺)へお礼参りをして結願。その後、弘法大師空海が修行の場として開山した高野山(和歌山県)金剛峯寺参りをしてすべて終了。

遍路の足跡として残るご朱印帳や宝印がおされた白衣は、極楽浄土へ旅立つ際の通行証となる。


宝印がおされた白衣

1200年もの歴史をもつ四国遍路は、2006年にユネスコ世界文化遺産への登録を目標として、『四国八十八ヶ所霊場と遍路道』を申請した。

まだ暫定入りもしていないが、先に登録された熊野古道同様、古から日本人の心の拠りどころであった“お遍路”の世界遺産リスト入りを期待している。

土佐闘犬。高知・桂浜の闘犬センターで見ることができる。
四国最西端・三崎の地魚。有名な関サバや関アジと漁場は同じだが、愛媛側に水揚げされると、岬(はな)サバ・岬(はな)アジと呼ばれる。)

実は私も2年ほど前から、父親が大病したのをきっかけに遍路を始めた。

なかなかまとまった休暇も取れないので、“車遍路乱れ打ち”ではあるが、四万十の川の幸や塩で食べる高知の鰹(絶品!)、愛媛の岬サバなどの地場の美味いもの巡りと各地の名所旧跡観光も兼ねながら、現在23ヶ所ほど巡拝を済ませ、2012年の結願を目標に奮闘中だ。 

(SWAN Nakamura / 写真も筆者)
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