“スカイシティ” のアコマ族が暮らす住居は、すべてアドービ(日干し煉瓦)を積み上げた簡素なもので、2階建てのものもある。(2階へは、外から梯子で出入りする)。窓にはガラスではなく、薄く削られた雲母が用いられている。
たまたま開いていた扉から内部を窺うと、室内には簡単な釜があるぐらいで、嗜好品や装飾品の類はまったく見られない。家ごとに雨水を蓄える壷があるが、ほとんど雨も降らないこの地域のこと、壷の中は半分にも満たない程度だった。
いくつかの家の前には、小さなテーブルが置かれ、手作りの粗末な民芸品やパン、幾何学デザインが人気の陶器などが売られているが、現在は政府の援助が多少あるとはいえ、このような環境の中で、どうやって収入を得て生活しているのか、人ごとながら心配になる。
1時間ほどかけて町を巡った後、メサの断崖に案内したガイドは、「歩いて降りたい人はここからどうぞ!」 と絶壁を指差した。
もともと外敵が侵入しないようにできた町である。「40分もあれば降りることができます」 とのことだったが、歩いて降りようという人はいなかった。
ビジターセンターでは、工芸品の壷がたくさん売られている。彼等の収入の足しに少しでもなればと小さなものを買い求めた。
千年もの昔とほとんど変わらない生活をし、伝統と古来の慣習を頑なに守り続け、文明の侵入を拒み続けているアコマ族のたくましさとプライドに驚愕を覚えた1時間だった。
先進国・アメリカだが、現在もこのような人々が息づいている。スカイシティには、もうかれこれ3回訪れているが、機会さえあれば、また訪れてみたいところだ。■
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