新疆の地図を見てほしい。
区都の烏魯木斉と天山山脈を挟んで南に位置する庫爾勒(コルラ)から、タクラマカン砂漠の東側を時計周りに若羌(チャルクリク)へ向かうR218には、「31団」や「33団」など、数字で記された街(オアシス)が続いているのがおわかりいただけると思う。

正確には、“新疆生産建設兵団農二師○○団”といい、新疆の砂漠地帯を開発して生産性のある土地にするために、中国各地から、政府からの募集や命令により多数の人民が入植し、畑の開墾や灌漑、道の建設、街づくりをしている、かつて日本にも見られた北海道の“屯田兵”にあたる。
天山山脈より南側の“南疆”とよばれる地域には、このようなオアシスが多数存在している。
新疆にありながら漢民族しか住んでいないというこの街の人口は、それぞれ数百人程度だが、ある程度人口が増えると、“団結”や“英蘇”などの名前をつけ、ひとつの街として機能するようになり、映画館などの娯楽施設もある。
オアシスとオアシスの間には、数キロおきに“橋道班”とよばれる小屋が点在する。