世界最初の共和国
バイシャリは、釈迦が出家してラージギルに向かう途中で最初に修行した地であるとともに、45年にも渡る仏教の伝道を経て、現世からの旅立ちが近いことを悟った釈迦が最後の説法を行ったところで、当時から選挙によって統治者が選ばれていたことから、“世界最初の共和国”とされている。
ある年、旱魃が続いたことで収穫が途切れ、更には疫病も流行してしまい、国を挙げてバラモン(司祭)たちが祈祷したがまったく効果がなく、困り果てた統治者が近くのラージギルに滞在していた釈迦に救いを求めたところ、雷鳴が轟き大雨となり、旱魃は解消され、疫病もすっかりなくなったと伝えられている。
1957年に玄奘三蔵の記述に基づいて発掘したところ、高さ5.2センチ、直径4.9センチの舎利容器が発見され、内部には釈迦のものと思われる遺灰やガラス玉、銅貨、金箔などが納められていた。





アムラパリのマンゴー園跡
ここから西に3キロほど離れたコールハー村には、アムラパリのマンゴー園跡がある。
アムラパリは華麗なダンサーであり、王侯貴族や豪商相手の娼婦でもあったが、釈迦の教えに感銘を受け、このマンゴー園を寄贈し、自らも出家して尼僧になったことで知られている。
また、1匹の猿がたわわに実ったマンゴーの蜜を釈迦に献上したことから、“猿王奉蜜”の地として釈迦の物語を語る上でも重要な場所となっている。
多くのストゥーパが残る遺跡には、紀元前250年頃に建立された高さ10メートルのアショカ王の石柱が聳え、柱頭の獅子像が周囲を見守っている。
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